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狂気のオークション




読者の皆さんには大事にしていた物を親に捨てられてしまった経験はあるでしょうか?
筆者にはあります。
しかも、ゴミと間違えられて
あれから10年近くたちますが、心の傷は癒えていません。(誇張あり)

捨てられたのはチャレンジャーと影の伝説の攻略本でした。
小学生の時に持っていた攻略本はこの2冊だけです。
それだけに思い入れも深く、大学生になってから同じ本を探しました。
しかし、いくら探しても見つかりませんでした。(というより、ファミコンの攻略本自体がほとんど見あたらない!)

そんなある日、Yahooのオークションにチャレンジャーの攻略本を含むファミコンの攻略本30冊が 出品されていたのを見つけたのです。
最低落札価格は9000円。1冊当たり300円と考えればまあまあ妥当な値段です。 (でもやっぱり高い)
「これなら1万2千円までなら出してもいい」と考えた筆者は落札しようとしました。
しかし、Yahooの会員ではない筆者は申し込むことはできないのでその日は諦めて帰宅しました。

それから一週間後、軍資金3万円を持って再び大学に来た筆者はYahooの会員になっている後輩に頼みました。

芸夢遊太郎 「頼む!どうしても競り落としたいんだ。」

後輩A 「いいですが、責任をもってくださいよ」

芸夢遊太郎 「安心してくれ。俺は約束は守る(…と思う)」

こうしたやり取りの後、オークションのページを見ると終了数時間前にもかかわらず、まだ買い手は1人もいません。
申し込むのは終了ぎりぎりにするように頼みながら、筆者はこれなら競り落とせたのも同然と ほくそ笑んでいました。
が、

後輩A 「あれ、価格があがっています」

やはりオークションの終了間際に申し込もうとした人が他にもいたのです。
価格はすでに1万円を超えていました。
あわてて1万2千円で申し込んだ筆者。
だが、落札価格は無情にもさらに高い1万2千5百円に変化しました。
ここで、今までに入札をしたことのなかった筆者はつい熱くなって入札価格を引き上げていきました。
1万3千円1万4千円1万5千円(泣)

後輩A 「届きませんねえ

そういう後輩Aがもの凄く楽しそうに見えるのは筆者の考えすぎでしょうか。
さらに脳がスパーク状態だった筆者は口にしてはならない金額を言っていました。

芸夢遊太郎 「ええい、1万9千円」(自暴自棄)

後輩A 「届いたようです。」

見ると落札価格は1万5千5百円になっていました。
当時、1万円で1ヶ月を過ごしていた筆者には余りにも大きな出費でした。
そして、後輩Aに1万数千円を渡した後、思わぬ出費に打ちのめされながら帰路についたのでした。

それから1週間後

芸夢遊太郎 「商品は届いた?」

後輩A 「オークションは他の人が落札しました。」

芸夢遊太郎 「そんな馬鹿な!1万9千円もの値をつけたのに…」

オークションのページを見ると確かに1万9千5百円で他の人が落札していました。
その時の筆者は競り負けた悔しさよりも、2万円近くの出費を回避できた安堵感で満たされていた ことは言うまでもありません。
思わず、次の言葉が口から出てきました。

芸夢遊太郎 「しかし、1万9千5百円もの値をつけるなんでこの人はいかれてる。

後輩A 「1万9千円を出そうとしたあなたもいかれてると思います。

ごもっともです

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