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悪夢の大学院入試




こうして最悪な心理状態で大学に着くと、まっすぐに合否の掲示場所に向かいました。
しかし、それらしき掲示板は見当たりません。
「変だな・・・募集要項には確かにこの建物の前で掲示すると書いてあるのに」
地図で場所を再確認していると、警備員が掲示は隣の駐車場でされていると教えてくれました。
行ってみると駐車場の端に掲示板がありました。
すぐ近くには受験生が・・・いない・・・と思ったら、受験生らしい人が1名やって来ました。
そして、掲示板を一瞥しただけで「受かって当然」という表情で立ち去っていきました。
「やっぱり大学院試験は受かって当然なんだな・・・それで不安になっている俺って一体・・・」

掲示板の前に立った筆者は、ゆっくりと掲示の表を見ました。
少しでも長く希望を持っていたかったのです。
1秒でも長く希望を持とう。そのためにはなるべく時間をかけて番号を確かめなければ」
そう考えながら掲示の表を端から見ようとすると、

あった・・・・・

そう、受験番号が0004番であったために表の端を見た瞬間に番号が見つかったのです。

せっかく人が感傷に浸っていたのに・・・
などと自分自身ではなく、掲示の表を恨んでしまった筆者には喜びの気持ちがわきませんでした。
感傷に浸っていなければ、人生の破滅を回避できたと大喜びできたと思うと残念でなりません。

その後、2時間かけて自転車で自宅に戻った筆者は教授に電話で合格したと連絡しました。
これだけのために実に5時間以上(うち30分はゲーム店で過ごした)の時間と、 残暑に耐えながら4時間にわたって自転車をこいだのです。

それから10分後

ピンポーン
ハンコください

合否結果が届きました。
もう何も言いたくありません。


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