極寒のゲームボーイ
毎年11月の終わり頃になると筆者の大学でも文化祭があります。
うちのサークルでは以下のものを出展していました。
この出展には大きな問題がありました。
高価な機材を置いておくため、盗難の心配があるのです。
何故、俺は見張りの仕事なんか引き受けようとしているんだ?そのため、徹夜で泊まり込んで見張りをする人が必要になります。 毎年、その仕事は1、2年生が担当することになっていました。 筆者も1年で2泊、2年で4泊しました。 しかし、今年は3年生です。 「うぉっしゃー!今年の文化祭では手伝いなんかしないで家でゲームに明け暮れるぜ!!」 と考えていました。そんなある日、筆者の元に電話がかかってきました。 後輩B 「見張りの人数が足りないから見張りをよろしく」 芸夢遊太郎 「嫌だ!!っていうか、見張りは1、2年の仕事だろーが!!」 後輩B 「とにかくよろしく」 数日後機材の見張りをするために、文化祭の会場にむかう筆者の姿がありました。
そうなのだ!断ったのだから行く必要はないのだ!
義務感それなのに…それなのに……やはり義務感からか…
この余計な感情のせいで筆者は多大な犠牲を払ってきました。
ちなみに、その本のタイトルは「任天堂商法の秘密」でした。
この不要な感情のために5分で投げ出したくなるようなクソゲーをクリアするまでプレイし続けてしまうのです。 エアーズアドベンチャー、プロ野球?殺人事件!、マインドシーカー、小公子セディ etc これらのゲームのせいでどれだけの時間を無駄にしたことか… もっとも、筆者はつまらなすぎるゲームはあまりのつまらなさを楽しむという境地に達していたので それなりに楽しんでいましたが… 会場に着くと、とりあえず時間を潰すために持ってきた本を取り出しました。 先輩C 「何、この本?」 筆者の持ってきた本のタイトルを見て笑っています。ここで断っておきますが、筆者が持ってきたのはビジネス書です。 それもイトーヨーカ堂の創業者・伊藤雅俊氏が「ビジネスマン必読の書」とまで言っている本です。 芸夢遊太郎 「何を言っているんですか!イトーヨーカ堂の創業者が推薦してる本ですよ!!」 だが、そんな抗議も虚しくゲーム好きがゲームの本を読んでいると決めつけられてしまいました。芸夢遊太郎 「俺は負け犬だ…」 沈み込んでいると後輩Bがやって来ました。筆者が来ることはすでに予想していた、というより来ることは計画に入っていたようです。 後輩B 「人数が足りないから4泊してもらうことになりました」 芸夢遊太郎 「ちょっと待った!俺を過労死させる気か!!」 ここで見張りで4泊するという意味がわからない人もいるので説明しておきます。4泊するということは4日間連続で見張りをするということです。 さらに見張りは午後7時から午前10時までしなければなりません。 そのため、見張りから解放されるのは午前10時から午後7時までの9時間。 そのうち、5時間は往復の交通時間として消え、家に帰ってからの食事・風呂・支度などで 1時間半費やされます。
こうして、本人の意思とは反対に4日間連続で見張りをさせられることになりました。
去年、4泊するはめになった筆者は睡眠時間が3時間をきるという苦痛がよくわかっています。 仕方がないので明日から1時間程遅れて見張りをすることを伝えてから帰宅しました。 |