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極寒のゲームボーイ




毎年11月の終わり頃になると筆者の大学でも文化祭があります。
うちのサークルでは以下のものを出展していました。

プリクラ
1回300円と結構高いのだが機材に金がかかるので赤字です。
っていうか、機材を1つ買うだけで1年分の売上がとんでしまう!
占い
占星術による占いと称していましたが、実はいくつかの結果を用意して、 名前の画数で適当に振り分けるだけです
限りなく詐欺に近いです。
ちなみに内部では「インチキ占い」と呼んでいました。
この出展には大きな問題がありました。 高価な機材を置いておくため、盗難の心配があるのです。
そのため、徹夜で泊まり込んで見張りをする人が必要になります。
毎年、その仕事は1、2年生が担当することになっていました。
筆者も1年で2泊、2年で4泊しました。
しかし、今年は3年生です。

「うぉっしゃー!今年の文化祭では手伝いなんかしないで家でゲームに明け暮れるぜ!!」

と考えていました。
そんなある日、筆者の元に電話がかかってきました。

後輩B 「見張りの人数が足りないから見張りをよろしく」

芸夢遊太郎 「嫌だ!!っていうか、見張りは1、2年の仕事だろーが!!」

後輩B 「とにかくよろしく」

数日後

機材の見張りをするために、文化祭の会場にむかう筆者の姿がありました。
何故、俺は見張りの仕事なんか引き受けようとしているんだ?
そうなのだ!断ったのだから行く必要はないのだ!
それなのに…それなのに……やはり義務感からか…
義務感
この余計な感情のせいで筆者は多大な犠牲を払ってきました。
この不要な感情のために5分で投げ出したくなるようなクソゲーをクリアするまでプレイし続けてしまうのです。
エアーズアドベンチャー、プロ野球?殺人事件!、マインドシーカー、小公子セディ etc
これらのゲームのせいでどれだけの時間を無駄にしたことか…
もっとも、筆者はつまらなすぎるゲームはあまりのつまらなさを楽しむという境地に達していたので それなりに楽しんでいましたが…

会場に着くと、とりあえず時間を潰すために持ってきた本を取り出しました。

先輩C 「何、この本?

筆者の持ってきた本のタイトルを見て笑っています。
ここで断っておきますが、筆者が持ってきたのはビジネス書です。
それもイトーヨーカ堂の創業者・伊藤雅俊氏が「ビジネスマン必読の書」とまで言っている本です。
ちなみに、その本のタイトルは「任天堂商法の秘密」でした。

芸夢遊太郎 「何を言っているんですか!イトーヨーカ堂の創業者が推薦してる本ですよ!!

だが、そんな抗議も虚しくゲーム好きがゲームの本を読んでいると決めつけられてしまいました。

芸夢遊太郎 「俺は負け犬だ…

沈み込んでいると後輩Bがやって来ました。
筆者が来ることはすでに予想していた、というより来ることは計画に入っていたようです。

後輩B 「人数が足りないから4泊してもらうことになりました」

芸夢遊太郎 「ちょっと待った!俺を過労死させる気か!!

ここで見張りで4泊するという意味がわからない人もいるので説明しておきます。
4泊するということは4日間連続で見張りをするということです。
さらに見張りは午後7時から午前10時までしなければなりません。
そのため、見張りから解放されるのは午前10時から午後7時までの9時間。
そのうち、5時間は往復の交通時間として消え、家に帰ってからの食事・風呂・支度などで 1時間半費やされます。
ということは、睡眠時間は
9ー5−1.5=2時間半(泣)
今、過労死が社会問題になっています。
その原因は後輩Bのような奴が存在するからに違いない!

こうして、本人の意思とは反対に4日間連続で見張りをさせられることになりました。
去年、4泊するはめになった筆者は睡眠時間が3時間をきるという苦痛がよくわかっています。
仕方がないので明日から1時間程遅れて見張りをすることを伝えてから帰宅しました。

次へ続く

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