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悪夢の大学院入試




月日が流れるのは早いものです。
B大学大学院の試験もすぐにやってきました。
本当のことを言うと、教官に連絡した日は試験日の直前でした。

今まで書いてきたように、試験の前には様々な試練(?)がありました。
しかし、気にすることはありません。
受験票(ちなみに番号は0004番)はちゃんと送られてきたのです。

筆者はこんなことを考えて自分自身を慰めていました。

というのは嘘です。
本当は「やっぱり順調に物事が進むよりも、トラブルを乗り越えながら進む方が波乱に満ちていて面白い」 などと本気で考えていたのです。

そんな筆者に天罰がくだるのは当然のことでした。報いはすぐにやって来たのです。

試験当日

筆者は試験と面接の日だけは車で送ってもらえることになりました。
車の中では、物理の復習をしました。
さすがに、試験当日ともなると真剣になってきます。

「人事を尽くして天命を待つ」
この言葉を信じて、筆者は文字通り人事を尽くして、最後の見直しをしていたのです。

その結果
天命は………来ませんでした

集中しすぎたせいで車酔いしてしまったのです。
ちなみに、過去に車酔いしたのは小学生の時の1回だけです。 その時はバスの中で何時間もぶっ続けで将棋を指したのが原因でした。

何でこんな時に車酔いなんてするんだ!
俺はギャグマンガの主人公か? 諸星あたる2世か?
そんなはずはない!
俺は真面目な人間だ! 自分で自信を持って言えるほど真面目な人間なんだ!
だとしたら、これは夢だ!白昼夢だ!
俺は夢を見ているに違いない!!

などと空想の世界に逃げ込もうとしていると、大学に着きました。
試験会場に行くと、多くの受験生が参考書を読み、掲示板には受験番号と試験の場所が掲示されています。
どうやら、現在起こっていることが現実であることだけは間違いないようです。

観念した筆者は、とりあえず掲示板を見ました。
すると、数学専攻の受験生は0001番から0007番までとなっています。
どうやら筆者が受験する数学専攻は7人しか受験生がいないようです。

そして、試験30分前、会場の扉は開かれ筆者は試験を受ける教室へと向かいました。
途中で建物の階を間違えつつも、無事教室に到着。

よし!今日は俺の人生を左右する重要な日だ。
たった今から心を入れ替えて真人間になる!!

教室に入るときの筆者はこれまでに無いほどの決意に満ちていました。

次へ続く

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