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悪夢の大学院入試




専門科目についての質問に答えた後、筆者は半ば放心状態になっていました。
しかし、そんな状態の筆者に思いもよらぬ質問がきたのです。

試験官 「基礎科目の数学はどうだった?」

(しまった!基礎科目について聞かれるなんて思っていなかった。
 全く準備をしていない!

専門科目の数学でさえ準備をしていなかった筆者、芸夢遊太郎。
基礎科目の数学については言わずもがなです。

聞かれたのは変数分離法を使った積分の問題についてでした。
試験当日、車酔いして頭が働かなかった筆者は変数分離法を使わずに単純な計算で解いてしまったのです。
そんな筆者に試験官の容赦のない言葉が浴びせられました。

試験官 「その解き方だと計算が長くなって時間がなくなるし、計算ミスをして間違える、と」

芸夢遊太郎 「(ガーン! 間違えていたのか…)」

まずい。まずすぎる。

他に1問解いていない問題があるから、基礎科目の数学だけで2問間違えたことになる。
そんなショックに浸るひまもなく、試験官から質問されました。

試験官 「それで、本当はどんな解き方をするのかな?」

芸夢遊太郎 「(それは簡単だ。たしか………………何だっけ?)」

何てことだ!さっきまで分かっていたのに思い出せない!!!
いわゆる度忘れという奴です。

試験官 「確か大学では1年生か2年生で学ぶことだよね」

芸夢遊太郎 「はい(冷や汗)」

試験官 「一応、知ってはいる?」

芸夢遊太郎 「はい」

度忘れしたとはいえ、さっきまで分かっていたのだから、知っていることになる……はずだ
そんなふうに考えた筆者は安易に答えてしまいました。

試験官 「じゃあ、黒板に書いてみてくれ」

芸夢遊太郎 「………………(自爆)

この後のことは覚えていません。
いえ、本当のことをいうと覚えているような気がしますが、その時の筆者は幻を見ていたということにしておきます。

こうして面接が終わった筆者は滝のような汗をかいていました。(少し誇張)

そして、ショックで打ちひしがれた筆者は係の人に面接が終わったことを告げ、バスと電車で帰路につきました。

しかし、そんな状態にもかかわらず、帰りの電車の中では何故か漫画を読んで過ごしていました。
その理由は………「その日がマガジンの発売日だったから」と、答えておきます。

次へ続く

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